4. VX,XP編

はじめに

「RPGツクールVX」および「RPGツクールXP」、これらのツクールにおいて、使用されるMIDI音源は「Microsoft Synthesizer」に固定されています。このことによりMIDIデータ制作者は各音源間の音の鳴りの違いを気にせずに制作することができるようになったのですが、きちんと鳴らすにはやはりこの音源のことを知った上で制作するのが良いと思います。そこでVX,XP編では、ツクールVXおよびツクールXPに対応したMIDIデータの制作方法について解説していきます。

4-1 基本仕様

先ほども書いたとおり、ツクールVX,XPでは音源はMicrosoft Synthesizerに固定されています。この音源はリズム音色はSC-55クラスで、これまでのツクール200X対応データでは不可能だったStandardKit以外の音色も正式に利用可能となっています。さらには、3.応用編で述べたGSリセットを含めたセットアップを行うと、通常音色の拡張部分(バンク音色)も使用可能となっています(注)。なお、ループ命令については、これまでのとおりです。

(注)リセット命令を含まないデータ(つまり、これまでどおりに制作されたMIDIデータ)では、バンク音色は使用できません。その場合は、通常音色についてはGM規格の範囲内となります。

4-2 エフェクト

エフェクトはReverbのみです。Chorusは利用できません。またこのReverb、一般の音源よりも結構深めにかかってますんで、一般の音源向けに作ったデータではかなり聴きにくくなってしまいます。実際、RTPのMIDIデータではデフォルトを60にしているようです。色々試していると、一般の外部音源で100にしているパートを60にしてみると、違和感なく聴くことができるようです。よって、200X用のデータをコンバートする際、まず始めにReverbの調整から始めた方が良さそうです。

4-3 実際の制作

さて、これらの仕様に留意して制作していくことになるのですが、その際の問題点として、Microsoft Synthesizerはシーケンサーからは直接鳴らすことができないという問題があります。これはPC上でのMIDIデバイスとDirectXの問題が絡んでくる訳なんですが、何しろ、いちいちツクールに放り込んで確認していては非常にやりにくいです。そこで以下のようにセッティングし、VX,XP対応データの制作環境を整えることにします。

まずはMicrosoft Synthesizerを鳴らすことのできるソフトを入手します。これはMicrosoftがDirectXの制作ツール、「DirectMusic Producer」を公開していますので、それを利用することにします。
DirectMusic ProducerのDLページ

次に仮想MIDIデバイスを用意します。仮想MIDIデバイスの詳しい説明は他に譲るとして、これはまあ、シーケンサーとDirectMusic ProducerをPC内部で結ぶ役割を果たすと思っていただいて結構です。私は「MIDI YOKE」という有名な仮想MIDIデバイスを利用しています。
MIDI YOKEのDLページ

さて、これらのインストールが終了後、シーケンサーとDirectMusic Producerを起動します。シーケンサーのデバイス設定は以下のように行います。また、使用音源の設定もできる場合、SC-55にしておくと拡張音色の確認がやりやすいと思います。

シーケンサー側の設定

次に、DirectMusic ProducerのMIDI/Performance Optionsの設定を以下のように行います。Latencyの設定はお使いのPCのスペックと相談して、適宜設定してください。

DirectMusic Producer側の設定

以上の設定により、シーケンサーからのMIDIメッセージがMIDI YOKEを通じてDirectMusic Producerへ流れ、そしてDirectMusic ProducerはMicrosoft Synthesizerを鳴らすという構成になりました。これで、実際にツクールVX,XPで再生される状態に近い環境で制作することが可能となります。

まとめ

以上、ツクールVX,XP対応データの制作のポイントはいかがだったでようか? 容量の問題もあり、BGMはすべてオーディオベースでというわけにはいかない現状、やはりMIDIベースのBGMはまだまだ重宝しそうです。エンターブレインがDLS対応のアップデートをやってくれると、MIDI周りの仕様がかなり強力になり、制作の幅がぐっと広がるんですが、まあ、これは期待しない方がいいですね(笑)

また、本講座からは少し外れるのですが、ツクールVXではoggのループ再生が正式にサポートされています。より高品質のBGMをお考えの方は、そちらを利用しても良いかもしれませんね。