ロングトーン

私らが学生の時(もう10数年も昔w)には、まるでお経のようにロングトーン、ロングトーンと言われたものです。学生時代に「ロングトーンをしっかりやると音が良くなる」なんて先輩に言われた方も多いと思います。しかし、たしかにロングトーンは大事ですが、それ以前に「そもそも正しい、そして楽な奏法で吹いてるの?」という問題があると思います。良くない奏法でどれだけロングトーンを行なってもまったく逆効果で、さらに悪化させる原因になってしまいます。

先日のレッスンでTbパートを見ました。ある子が、上のFくらいでどうしても力んでしまっている。無理やり出すような感じ。それじゃあコントロールできません。ブレスコントロールの練習は毎日やってはいますが、それをどう楽器の奏法に生かすのかをまだ掴めてないようです。ざっと見て私が感じたポイントは、

  • アンブシュアだけで音高調整している
  • つまり下ではゆるんで上では無理に引っ張ってる
  • マウスピースを付ける瞬間、すでにアパチュアが開いている
  • 当然B以上から段々力みだす

ざっとこんな感じです。これではまともに鳴るはずありません。それを無理やり出そうとするからアンコントラーブルな音になってしまっている。そこで、以下の手順を行うことにより楽な奏法を掴んでもらう事にしました。

  1. 唇を軽く楽に閉じ、細い息を出させます。マウスピースのお尻を唇に当てて、そのポイントで出す感じです。息を出さないときには唇は自然に閉じた状態になるようにさせます。
  2. その細い息を出しながら楽器をそっと当ててみます。当然音が鳴ります。ちょっと弱弱しく、こもり気味の音ですが。これまでとは逆に、アパチュアを意識的に閉じようと働かせているのでしょう。そこは多少是正させます。あくまでも自然にです。
  3. 発声練習の時のイメージでFの音を歌うように手順1.2を行います。またBの音でも同様に行います。ちなみにここまで全てノータンギングです。
  4. さて、当然それらの音が鳴ります。余計な力みが無く、正に息だけで音が鳴る状態になります。この状態で軽く息の圧力を変化させると、F-Bのリップスラーが楽に出来ることも確認してもらいます。スラー時のアンブシュアやシラブルの変化は、息の圧力の変化に連動しつつもそう大きな変化ではないことも併せて確認してもらいます。
  5. 次にブレスコントロールの練習でやっている、紙を吹くメニューを思い出してもらって、その紙を吹き続けるイメージで先ほどの手順を行います。するとさっきまで力んで吹くことで鳴らしていたmfやfが、実ははるかに楽な状態でも出せるということを確認してもらいます。
  6. また、B-D-Fのリップスラーもさせてみます。音量はとりあえずpのままです。再度手順3.4を確認し、そのイメージを生かします。この段階でも割りとすんなりと出来ました。

この間20分程度。本人が一番驚いてました。この子の場合、息の出し方がまずかった。実際、ため息程度の息でも音は鳴ります(いい音かどうかは別として) それで鳴らないのは、やはりどこかにまずい点があるからです。

Tpには藤井先生の著作に書いてあるような、「地声モード」で息を出している子もいました。当然音の響きが潰れてしまって、上の音やfの音がこもってしまっている。ハイトーンでは身体がガチガチ。その子にも、発声練習時のイメージを持つことを重心におき上記のメニューをやってもらって、幾分改善の兆しが見え始めました。後日、B-HighB間のリップスラーが出来るようになってました。まだ多少力み気味ですが。

よく言われる「息の吸い方・吐き方」、「脱力」、そしてアンブシュアやアパチュアは密接に連動しています。それぞれ分けては考えられません。そこで、まず楽器を吹く前の準備段階として、ブレスコントロールや発声の練習をさせるわけです。そして、それらのメニューを実際の奏法に生かすようなロングトーンを心がけることにより、初めて有効なロングトーンの練習といえると思います。

しかし、単にブレスコントロールや発声の練習をさせるだけでは、なかなか実際の奏法に生かせない子もいますので、しばらくはこのように個人別に見ていく予定です。

Comments

  1. こんにちは。"自然に鳴る"感覚を掴んでもらえてなによりです。唇の振動が楽器と共鳴(共振)して音になるわけであって、振動音そのものが音になるわけでないのを忘れないでくださいね。そして、唇は自分で無理やり振動させるわけでなく、もうお分かりのとおり、息を入れることによって、"勝手に"振動してくれているのです。
    さて、唇の両端の筋肉が疲れてしまう件ですが、効率的なアンブシュアの場合、正にその部分の筋肉を主に使います(正確にはこの筋肉だけではありませんが)ので、断定は出来ませんが、良い傾向ではないかと思います。
    しかし、もしかして無理に引っ張っている可能性も考えられますので、鏡でそれぞれの場合の唇の幅を確認してみてください。
    ・普通に閉じたとき
    ・ストローを吹いているとき
    ・下のB、またはFを吹いているとき
    ・チューニングBを吹いているとき
    上記の各パターンにおいて、通常、唇の幅はほとんど変化しません。まったく変化しないわけというではありませんが、もし極端に横に引っ張っている場合や、すぼめている場合は注意してください。引っ張ったり、すぼめたりするのではなく、「固定する」感じです。
    次に、最も大事な「呼吸法」についてですが、これは文章だけで伝えるのがなかなか難しい。イメージによる部分が多いのです。しかし、これをうまくマスターしないとアンブシュアやアパチュアなども良くなりません。
    最初に姿勢です。背筋をすっと伸ばして、ほんの少し軽く胸を張ってみましょう。極端に張らなくてもいいです。
    両手を腰の背中部分に当ててみてください(大体腎臓の位置) 息を吸ってみましょう。そして軽く張った胸が"前に"膨らむ感覚を掴んでみましょう。下腹部を無理にを膨らませるわけではありません。胸からみぞおちにかけての部分が膨らむと思います。下腹部はあんまり動かないと思います。感覚がよく分からなければ、吸うと同時に両肩をほんの少し後ろに引く感じにしてみると分かりやすいと思います。ちなみに肩は上には上がりません。どうですか? 肺いっぱいに空気が入ってきましたか?
    さて、息を吐いてみましょう。顔をまっすぐ、目線は前なんですが、息を前ではなく、みぞおちを狙うイメージ吐きます。みぞおちに当たった息が口から出る感じです。そうすると息を吐いている時でも、みぞおち部分はあまり凹まないか、むしろ膨らみ気味になりませんか?
    このあたりは文章で説明するのが難しく、イメージの要素が強いのですが、がんばって確認してみてください。むしろこの感覚が管楽器で一番重要な部分です。俗に言う、「息の支え」という感覚です。
    なんとなくその感覚が掴めたら、次は声を出してみましょう。話し声ではなく、歌声です。音程は何でもいいですが、声を胸に響かせるように歌ってみましょう。息の吐き方は先ほどのとおりに、そして胸や喉に手を当ててみて、声の振動が伝わるのを確認してみてください。
    声が響いたら、次は眉間や鼻の奥、または額の少し上にも声を響かせて見ましょう。息の吸い方、吐き方は前述のとおりです。
    さて、その時、肩や喉、あごなんかに力は入ってませんよね? 入っているようでしたら、息の吸い方や吐き方がまずいです。確認してみてください。入っていなければ、「脱力している」状態です。
    この練習(発声練習)はなかなかすぐにはうまくいきません。1日5分くらいで結構ですから、家などで毎日練習してみてください。ちなみにうちの部では、この発声練習を含むブレスコントロールの練習を、練習の最初に毎日やってます。
    まずは、その発声練習の時の感覚(息の使い方)で楽器を吹けるように練習してみてください。ストロー練習と併せてやっていくと効果的かと思います。
    アンブシュアの支え方やアパチュアについてのさらに詳しい話は、また後日お話しましょう。
    では、がんばってください。

  2. 丁寧なお返事をありがとうございます。
    その部分の筋肉を使うというのは基本的に良いことだったのですね。それを聞いて安心しました。音が高くなるにつれて唇の中心に息を集中させるようなイメージで吹いています。
    呼吸法については、今まで「下腹部を膨らませる」ということを意識して呼吸をしていたのですが、みぞおちを意識したことで、よりたくさん息が吸えるようになった気がします。
    また、「みぞおちを狙って息を吐く」ということも、実際に楽器を吹いてみることでイメージがつかめました。みぞおちあたりからマウスピースまでが1本の管になったような感じでしょうか?
    これらのことを意識したことで、下唇を巻き込む癖はかなり治ってきました。この吹き方に早く慣れていけるよう、頑張ります。

  3. > 唇の中心に息を集中
    そうそう、そんな感じです。ちなみに、上唇の中心の先端部分を、舌で触ってみてください。そこにピンポイントで息が当たるようにすると、もっとコントロールしやすくなりますよ。トランペットでは、振動するのはほとんど上唇だけです。
    また、下唇の内側、プニプニとふっくらした部分がありますよね。そこを下の歯にぴったりつける(巻き込むわけではない)感覚を確認してください。
    そして、両端は「固定する」。引っ張るわけでもすぼめるわけでもありません。人によっては両端部分を上下から「はさむ」と表現する人もいます。
    これらの点を気を付ける事によって自然とアンブシュアが決まってきます。また、アンブシュアの状態と息の圧力のバランスが取れていたら、そんなに口周りを力ませることもなくなり、ハイトーンでも「力む」というよりしっかりと「支える」という感覚が分かってくると思います。
    > みぞおちあたりからマウスピースまでが1本の管になったような感じ
    そうですね、それがよく「息の柱」と言われているものです。もしかして音色も少し変わってきませんでしたか? なにしろ、その感覚が掴めたら上出来です。
    常に息の支えを意識してください。そうすることによって、アンブシュアについてはさほど意識しなくてもよくなります。そして大事なのは「歌うように吹く」、これです。発声練習によって声の響かせ方を掴めてくると、段々と「音の響き」というものも分かってきます。
    また、ハイトーンを楽に出したかったら、「裏声」の感じをイメージしてみてください。もちろん、息の圧力はしっかりとかけます。でも、これまでのメソッドをおさらいしていれば、決して上半身が力むことはなく、体の内部から発生する圧力を楽器に流し込むという感覚になると思います。
    これまで色々書きましたが、これらの感覚を常に意識して、まずは基礎練習をがんばってみてください。多分、飛躍的に進歩できますよ。そして、それが「良い基礎練習」というものです。
    では、また時間があるときにでも練習結果を教えてくださいね。その他にも分からないことがあれば、答えられる範囲でいつでもお答えします。

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